これまでの会社の歩みについて、簡単に教えてください。

整骨院の仕事をはじめ、現在10年目です。

もともとは老後の父親の面倒を見ることを考えて、医療の道に入りました。個人事業主として整骨院の仕事をはじめ、現在10年目です。現在のように法人にしたのは2016年の3月ですね。現在は整骨院だけでなく、訪問で鍼灸・マッサージもしているほか、セルフエステのサロンも経営していてフランチャイズ（以下FC）の店舗を全国に広げています。今では30名近いスタッフと一緒にやらせてもらっていますよ。

なんでも、開業された整骨院が地域でナンバーワンになられたことがあるという話を伺ったのですが…。

ピーク時には一日100人もの患者様

そうなんですよ！独立したのが23歳のときだったんですが、はじめはかなりうまくいって、幸運にもかなりトントン拍子に進むことができました。
ピーク時には一日で100人もの患者様が来てくださっていて、最短クラスで地域ナンバーワンまでいけたんです！起業してから1～2年目くらいだったと思います。

地域ナンバーワンになるだけでなく、最短だなんてすごすぎます！

最短で地域ナンバーワンになったとは思えませんよね。

ありがとうございます。でも、それがずっと続いたわけではなかったんですよね……。早いうちに結果が出てしまったのがかえってよくなくて、もともとお酒が好きだったというのもあって飲み歩くようになってしまいました。
当時は若かったこともあり、夜な夜な飲みにいくのが楽しかったんですよね。それで遅くまで飲んでいると、まぁ当然のことながら次の日は施術に身が入らないんです。そうなると、みるみるうちに患者さまが離れていってしまって……。あっという間に業績はピークのときから半分以下になってしまいました。最短で地域ナンバーワンになったとは思えませんよね。
さすがにまずい、どうしようと思いながら日々過ごしていました。なんとかしなきゃ、立て直したいと思いながらも打開策がわからなくて日々もやもやとしていたんですよね……。張替さんと出会ったのはそのタイミングでしたね。

悩んでいらっしゃるタイミングで張替さんと出会われたということは、どなたから紹介されてだったのでしょうか？

「本当に自分を変えないとダメ。本当に自分を変えたいなら一緒に頑張ろう」と言ってもらうことができました。

いや、そうではなくてかなり偶然です。たまたま僕が友人と街で飲んでいたときに、同じ場所でほかの友人と一緒に飲んでいたのが張替さんだったんです。それで一緒に飲もうとなって。
張替さんの話を聞いているうちに、なんだか思うところがありました。飲みの場では僕の現状を話したり相談させてもらったりしたのですが、張替さんは何を聞いても答えが的確だったんですよね。「こういったことが課題で、こういうことがしたい」みたいなことを相談するとすぐに的確なアドバイスが返ってきたんです。それがすごいなと。
そのとき僕は次の約束があったのでいったんその席を離れたのですが、とりあえずその約束はマッハで終わらせて張替さんとの飲みの場に戻ったんですよ。それくらい、そのときの時間にはパワーがありました。お話させてもらったのは短い時間ではあったんですが、その間に張替さんとどうしても関わりたいと思ったんですよね。その後、何度か食事をさせてもらって塾に通いはじめたのちに顧問になってもらったという流れですね。
何度か食事をさせてもらっているうちに張替さんから「本当に自分を変えないとダメ。本当に自分を変えたいなら一緒に頑張ろう」と言ってもらうことができました。正直に言うと「めんどくさいな」と思いましたが（笑）生活のためもありますし、やらないとという気持ちでしたね。

奇跡的な出会い方だったんですね。そのときの会社の状況ってどんなものだったんでしょうか？

当時は僕のワンマンぶりがすごかったんです。

とにかく雰囲気が悪かったですね。会社以前に、チームとして動けていませんでした。当時は僕のワンマンぶりがすごかったんです。社員とコミュニケーションがとれていませんでした。こだわりが強かったのと、何をするにも否定から入ったりするなんていうのは日常でした。そんなのでチームワークいいわけないでしょ？
今でこそスタッフも30人近くいてくれていますが、当時は4人だけ。でも、その4人でさえもチームになれていなかった状況ですね。まぁ、ひどかったですよ。あの当時は……。

張替さんが顧問になられてから、どんなアドバイスがあったのでしょうか？

僕が腹落ちするまで根気強く関わってもらいました。

けっこうアナログなことですよ。「なぜ働くのか」とか、「人として」というところから入った記憶がありますね。
たとえばですが、僕たちの業界ではお客さまのことを「患者さま」というんです。でも、それをこれまでは「患者さん」みたいな言い方をしていたのを正したりだとか。そんなところからのスタートでした。
最初は張替さんから僕にマンツーマンで指導をしていただき、僕が腹落ちするまで根気強く関わってもらいました。まずは僕が腹落ちした状態じゃないと、社員に伝えることができないからですね。

その他、張替さんにどんなかんじで関わっていただきましたか？

草むしりがルーティーンになって、一度も生えていません。

当社の事業は整骨院を立て直してから訪問での鍼灸をスタートし、エステ……という流れなんですが、張替さんには整骨院の立て直しから関わっていただきました。
整骨院の立て直しでいうと、張替さんから最初に指示されたこと、何だったと思います？草むしりですよ。うちの店はロードサイドなんですが、店舗の前の道に生えている草がボーボーだったんです。そのときは言われたから渋々やりましたが、正直「なんでこんなことせなあかんのや」と思っていましたね。
でも、草むしりをするとおもしろいことに気が付きました。当院にとっていい患者さまといいますか、いろんな意味で気持ちよく通ってくださる方ほど変化に気がついてくださったんです。「きれいになったね」みたいな感じで。不思議ですよね。
そこから草むしりがルーティーンになって、一度も生えていません。うちがそうしたことで、トヨタとかフォルクスワーゲンも真似して草抜いてました（笑）正直、今でも草むしりを指示されたことの意図はよくわかっていません。物や建物へ感謝せよということなのかなぁ、と思ってはいるんですけどね。でも、そういう指示をしてもらったのは感謝しています。

なるほど、心がまえみたいなところから指導していただけるんですね。ほかにどんなアドバイスがありましたか？

売り上げが倍くらいに伸びたんです。たった半年ですよ！？

あとは営業に対する指導ですね。営業力・販売力の強化です。張替さんには社内に講師として入っていただいて、営業会社のするような研修をしていただきました。たとえば会社案内、ヒアリング、フレーミング、クロージングとか、そういったことを徹底してやっていきました。当時4人の社員と一緒に、やってくださいましたね。
一通り学んだあとはひとりの生産性をいかに高くするかを追求していました。
そういう研修をしてもらったことで、目に見えて結果も出ましたね。半年で売り上げが倍くらいに伸びたんです。たった半年ですよ！？短くないですか？
もちろん今でも研修を続けていただいていて、底だった時期から比較すると5倍くらいに売り上げが伸びています。

やっぱり溝渕社長から見ても、社員の皆さんに変化があったんでしょうか？

社員の数も少しずつ増やして毎年採用を続けています。

全然違いますね！　研修を通して数字にこだわって、数字に強くなってくれました。僕たちの業界って、結構みんな数字に弱いんですよ。技術者の集まりみたいなところがあるんでね。
それが張替さんが入ってくれてからは平均の客単価やリピート率なども全部出すようになって、みんながやってくれるようになったんです。ひたすらPDCAを回して実践するっていうことを教えてもらっているのですが、そういう数字に関することに対しても前向きに取り組んでくれるようになりました。
研修を受けるまでは、ひたすら目の前のお客様をこなすという感じだったのが、経営者目線も持ってくれるようになったんです。ものすごい変化ですよね。
ただ、これまでのやり方をがらっと変えるので、最初はめちゃめちゃ反発されましたよ。まぁ、それはフル無視して進めましたけどね。何を言うとんやと（笑）
立て直しにともなって、社員の数も少しずつ増やして毎年採用を続けています。それでスタッフも30人近くになったんですよ。めちゃくちゃ怖いですけどね、採用するのって。

すごいですね！　ポジティブなことしか起こっていないんですね。

人間関係では正直いろいろありました。

いや、もちろんいいことだけじゃなかったですけどね。
売り上げは右肩上がりになっていったのですが、それと同時に人間関係では正直いろいろありました。ナンバー2だった人間からの裏切りとか。それも同じ人から2回。あはは（笑）！
1回目は金銭的なもので、2回目は別のことだったんですが、結局うちの会社から離れていきました。最初のときは「全部許すから、これから頑張ってやっていこうね」と話したんですが、結果的にはどっかいきましたね。お客さん引き抜いて。
まぁ経営をしているとよくある話だと思うんですけどね、こんなのは。でも、そのへんが経営をしていて一番しんどかった時期ではありますね、うん。

明るくお話しされていますが、ナンバー2の方がそんなふうになるってかなりのことですよね……

まずは経済的に立て直していかないとですよね。

そんなもんです。その件については張替さんにも一緒に入ってもらって面談とかはしてもらいましたが、まぁしんどかったですね。結果うまくいかなかったし。
正直、まだこのダメージからは完全に復活しきれてはいないんです。経済的に。もちろん精神的なダメージもありましたが、まずは経済的に立て直していかないとですよね。実はそれもあって、セルフエステの事業を始めたんですよ。コロナもあったし、ほかの事業で売り上げが下がることはわかっていたので、もう逆張りでいこうと思いました。何千万円というけっこう大きな金額を投資して、店舗を作ったんです。
でも、これがある一部上場企業さんの目に留まって、FC展開につながったんです。うちでやっているセルフエステの店はかなり仕組み化を徹底していて。マニュアルなんかもかなり整備しているし、そのままやれば売り上げが上がる仕組みができているんです。
それを知って、システムが素晴らしいとおっしゃってくださった方がいたんですよね。で、うちの店をモデルにしたFC展開をしないかと。いろんな投資家の方から投資をしてもらって、店舗をつくってそのモデルを広げていくような形です。一部上場企業の取締役の方が来たときはさすがに緊張しました。

一部上場企業の方が来る！？　すごすぎる展開！！

僕、将来お金持ちになっちゃうかもしれませんよ？

ですよね。結構すごくないですか？（笑）
上場企業の社長さんたちとお話しするなんて、もちろんこれまでにない状況なのでビビリましたけど。僕、将来お金持ちになっちゃうかもしれませんよ？（笑）
実はこのセルフエステサロンって、もともとは数年前にオープンした脱毛サロンだったんです。でも、脱毛サロンってもう競合が多すぎるんです。競合増える→値下げ合戦も始まるってなると、そしたらもう大手には勝てないじゃないですか。このまま続けていても勝算がないと思ったのもセルフエステの事業に切り替える理由のひとつです。

新事業を始めるにあたって張替さんからのアドバイスもおありだったんでしょうか？

アドバイスというよりは、僕が始めたことに対してあれこれサポートしてもらうって感じかな。

うーん、僕のイメージとしてはゼロのものを1にするのが僕の役割で、1を10にしてくれるのが張替さんのパワーって感じなんですよね。大きくしてくれるサポートみたいな。だから、新事業を始めることに対するアドバイスというよりは、僕が始めたことに対してあれこれサポートしてもらうって感じかな。
あ、あとこれだ。30人近くスタッフがいますが、僕はなるべく現場に入らないようにしています。張替さんからのアドバイスでもありますし、僕自身も成長の機会を奪っちゃダメだと思っていて。ほら、現場に入ったらいろいろやっちゃうじゃないですか。だって自分でやったほうが早いし、しかもできちゃうし。
張替さんには今もスタッフ全員に対して月に1回は必ず研修をしてもらっています。整骨院も、エステのスタッフも全員です。
最初は「なぜ働くのか」みたいなところから入りましたが、今はPDCAサイクルをひたすら回してます。かなり実践的で、毎回宿題が出てそれトライして、フィードバックもらうって感じですね。

張替さんからの言葉で印象に残っていることはありますか？

「まず、自分のことを認めてあげないと相手のことも認められないよ」とアドバイスされたのは印象的でしたね。

僕は自己肯定が苦手なんですよね。自分を褒めたりとか、「これでいい」と思うのがすごく苦手でして。何が起きても「今がどん底ですよ」って言っちゃうタイプなんです。
でも、自分のことを認められていないと人のことも認められないじゃないですか？なので張替さんから「まず、自分のことを認めてあげないと相手のことも認められないよ」とアドバイスされたのは印象的でしたね。ただ、どういうタイミングで言ってもらったのかはまったく覚えてないです（笑）でも、めっちゃ印象的でした。

最後に、ここ2年を振り返っての言葉をお願いいたします。

本当にビビって諦めなくてよかったです。

ここ２年は投資家さんの支援を受けるためのチャレンジが続きました。自分としてはすごく大きな出来事でしたし、ビビっちゃう部分もありました。でも、それがあって無事にFC展開が進んでいったので、本当にビビって諦めなくてよかったです。
整骨院や鍼灸・マッサージのビジネスでも売り上げが3億円になりました。FCは１年目の時点では新規加盟店が10店舗だったんですが、今は50店舗にまで広がっています。飛躍への足掛かりのような年を経て、いろんな人に揉まれるなかで心も強くなりましたね（笑）まだまだFC店舗も広げていきます！

ありがとうございました！